So-net無料ブログ作成
検索選択

2016年春のラジオ関係出版物情報 [本]

ラジオ局やラジオ番組を特集した雑誌は、これまでもいくつかあるが、定期的に刊行されているラジオ関係の雑誌、ムック本って、結局この4つぐらいしかないみたい。


三才ブックスでは、月刊「ラジオライフ」が有名だが、この雑誌、実際にはラジオ放送に関する記事が載るのは稀で、ラジオの専門誌というと、毎年春と秋から出ている「ラジオ番組表」ということになる。
2016年春号は、4月27日に、1,080円で発売予定だ。
各ラジオ局の番組表や、番組改編情報が網羅されていて、地味だが貴重なムック本だが、いつも刊行時期が遅いのが不満。

もっとも、刊行が遅いのは、全く出版社には責任がなく、ラジオ局のせいだ。
各ラジオ局の番組改編情報の発表が余りに遅く、3月下旬にならないと全貌が明らかにならないことが一番の原因だからだ。
こうしたダラダラ感が、ますますラジオをダメにしている気がするのだけどね。


ラジオマニア2015 | 三才ブックス

三才ブックスからは、もう一つ「ラジオマニア」というムック本が、毎年7月前後に刊行される。
こちらは、国内のラジオ局やラジオ番組の記事もあるが、海外ラジオ局や、インターネットラジオ局、さらに、海外放送を聞くためのラジオなどが記事の中心で、幅広いラジオの総合誌となっている。
2016年版の刊行はまだ未定だが、また内容が発表されたら、随時ご紹介したい。

続きを読む


「このマンガがすごい!2016」&「このミステリーがすごい!2016」 [本]

宝島社の「このマンガがすごい!2016」と「このミステリーがすごい!2016」、この2冊のムック本を書店で見かけると、もう年の瀬だなと感じてしまう。

先日、本屋で見かけたので、つい手に取って、ぱらぱらと見てしまった(申し訳ないが、ポイントが余っているので、Amazonで買った)。


【海外の反応】 『このマンガがすごい!2016』が発表!海外勢も納得の結果に | おたやく!- 海外の反応

「このマンガがすごい!2016」は、520円(税抜)。

ランキングは、オトコ編とオンナ編で分けて紹介されているのが特徴。

本年度のオトコ編の第1位は、九井諒子「ダンジョン飯」。

私はまだ読んでいないが、面白いという噂はよく聞くな。
KADOKAWA「ハルタ」で連載中で、ダンジョンで色々なモンスターを倒す主人公が、モンスターを調理して食べるという、今までになかった世界観が注目されているそうだ。

オンナ編の第1位には、ふじた「ヲタクに恋は難しい」が選ばれた。

こちらは全く知らないが、「comic POOL」にて連載中で、オタクで腐女子の主人公のラブコメディーとのこと。

続きを読む


ジェーン・スーさん、第31回講談社エッセイ賞受賞! [本]

ジェーン・スーが第31回講談社エッセイ賞を受賞!! #貴様女子 ソラトニワ | soraxniwa

ジェーン・スーさんの「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎刊)が、第31回講談社エッセイ賞を受賞したことが発表された。

ご受賞、おめでとうございます!

講談社エッセイ賞 - Wikipedia

この賞は、第1回 (1985年) 受賞の野坂昭如、沢木耕太郎を始め、吉行淳之介、景山民夫、東海林さだお、いとうせいこう、酒井順子など、名だたる作家が名を連ねる、日本のエッセイ分野ではほぼ唯一で最高峰の賞だ。

今回の選考委員は、岸本佐知子・酒井順子・東海林さだお・坪内祐三・林真理子で、名エッセイストの彼らに、しかもエッセイストとしては処女作の本が選ばれたのだから、この受賞はかなり異例のことだと思う。

副賞は百万円で、文学賞としては高額な方だ(芥川賞や直木賞も百万円)。受賞式は9月17日に東京都内で開かれる予定とのこと。

受賞式があったら、ニュースにも載るし、メディアの取材も増えて、ますます忙しくなるだろうな。

ホント、体を壊さないように、頑張って欲しいな。

続きを読む


「時の誘拐」に広瀬正を思い出す [本]

先日、百田尚樹の「海賊とよばれた男」の文体が、星新一の「人民は弱し 官吏は強し」の文体や文章のリズムによく似ていることを書いた。


今度は、昔読んだ芦辺拓のミステリー長編小説「時の誘拐」を、電子書籍で再び読んでいて、再び、似た感覚を思い出した。

この小説、1996年に刊行された弁護士・森江春策の事件簿シリーズの3作目で、現在で起きる(当時基準での)ハイテク誘拐事件と、一見無関係な戦後の大阪に起きた連続殺人事件を交互に描きながら、最後にあっという結末を迎える本格ミステリーだ。

興味深かったのは、もう一つの警察「大阪警視庁」が存在した、戦後の大阪の時代描写。
過去を描く場合、その時代の核になる人物と、その周りの事件を中心に詳細に描くケースが多い。
しかし、この小説には、自分が知る有名な人物はほとんど出てこない。ごく普通の市井の人々の生活が、普通の人々の視線で、描かれる。

その描写がきめ細かく、独特なのだ。
市民が乗っている市電の値段はいくらで、それは、他のどんなモノの値段に該当するのか?とか、当時、市民の間でどんなものが流行っていて、どんな職業が新たに登場し、人気を集めたのか? 子供たちにはどんな職業が夢だったのか?といった、ある意味、ストーリーの本筋とは関係ないディテールが、読者に、戦後直後の大阪の雰囲気を豊かなイメージを喚起させる。
それが最終的には、現在の事件に深くかかわってくるという、本格ミステリーの骨格もしっかりあって、とても面白い小説だ。

随分前の小説だが、今読んでも、とても面白いミステリー長編だった。

さて、この小説の過去パートを読み始めて、「あっ、この独特の文体はアレだな!」とすぐに思い至った。


今は亡きSF作家の広瀬正の「マイナスゼロ」「エロス」といった過去の時代を扱ったSF小説があった。
「マイナスゼロ」はタイムマシン、「エロス」はパラレルワールドという、SF的な仕掛けありながらも、「マイナスゼロ」の昭和初期、戦中の時代、「エロス」の昭和初期の描写では、ごく普通の市井の人々の生活が、普通の人々の視線で、ディテール豊かに描かれる。
もちろん、どちらの作品も「時の誘拐」より遥か昔の作品なので、「時の誘拐」が、広瀬正の文体を利用したのかもしれない。

『マイナス・ゼロ』 のSF作家・広瀬正: 零画報

広瀬正については、直木賞選考でも、司馬遼太郎のみが絶賛しているが、彼の文体が、新しい歴史小説を開拓したことは間違いないし、せっかくの発明が、広瀬正を最後に途絶えてしまうのはもったいない。
なので、「時の誘拐」を読んでいて、広瀬正のあの愛すべき文体がまた読めたことに、とても嬉しくなった。

よく、文体を作家の個性としてとらえる向きがあるが、文体は表現手法であり、それに著作権がある訳でもないのだから、いい文体は、もっと繰り返し利用されてもいいと思う。

続編の「時の密室」も、現代と並行して、明治時代や昭和初期の時代描写が出てくる、似た構成の小説みたいだが、こちらは未読なので、さっそく電子書籍で読みたいと思う。

一方、長らく絶版状態だった広瀬正の作品も、再び文庫で改訂版が出ていて、買える状況にあるらしい。できれば、早く電子書籍でも簡単に手に入るようになってほしいところだ。

「マイナスゼロ」は、今読んでも、何ら色褪せることのないタイムマシンSFの名作だ。
「エロス」も、「マイナスゼロ」のようなSF的なギミックは薄いものの、彼独特の文体を生かした歴史小説であり恋愛小説としては、「マイナスゼロ」を超える最高峰の作品だと思っている。
是非一度読んでみて欲しい。

関連記事:
百田尚樹の「海賊とよばれた男」の文体:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ

時の誘拐-【電...

時の誘拐-【電...
価格:864円

時の密室-【電...

時の密室-【電...
価格:756円





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

百田尚樹の「海賊とよばれた男」の文体 [本]

海賊とよばれた男 - Wikipedia

遅まきながら、百田尚樹著「海賊とよばれた男」を読み終えた。

2013年4月、第10回本屋大賞を受賞し、上下巻累計で200万部を超えるベストセラーとなったが、単行本は高いので、文庫化を待っていて、さらに文庫の電子書籍もすぐに出たので、そちらで読んだ。

出光興産創業者の出光佐三をモデルにした主人公の国岡鐡造の一生を描きながら、戦後の日本の動きの中で、彼が興した国岡商店が成長する過程を、淡々と描いた伝記的小説だ。

百田尚樹の作品は、これ以外にもいくつか読んでいるが、作品によってかなり文体が違うのを感じる。
東野圭吾なんかもそうだが、おそらく書きたい作品に応じて、最適な文体を選択し、使うタイプの作家なのだろう。
「文体にこだわりがある」というと、独自の文体を持っていて、どんな作品も自分の文体で染め上げるタイプの作家を指すことが多いが、作品ごとに最適な文体を作り上げる作家と言うのも、別の意味で「文体にこだわる」作家なのだと思う。
ただ、そういう作家は、文学賞では、老人作家に好かれないんだよな。

この作品の場合、主人公が、熱血で情熱的な人物像ので、文体まで装飾が多い文体にしてしまうと、読者が暑苦しく感じてしまうと判断したのかもしれない。そこで、作者は、登場人物の内面を冷静に描写しながら、歴史的事実を淡々とたどる文体を採用した。
それは見事に成功しているように思う。
文体が冷静であるがゆえに、主人公を潰そうとする、官僚のまさに官僚的な体質とか、財閥やメジャーのあくどさが際立つという仕掛けだ。

読みながら、この文体と文章のリズム、どこかで読んだことがあるなぁ、と思っていたが、ようやく思い出した。

星新一『人民は弱し 官吏は強し』|新潮社

これだ。SF作家星新一が、父であり星製薬の創業者であった星一の生涯を描いた伝記的小説で、ショートショートの元祖である星新一が書いた異色の長編だ。
この小説の文体が、「海賊とよばれた男」の文体のモデルになった気がするのだ。

描かれる戦前から戦後の時代背景も、主人公を潰そうとする官僚の描き方も、星新一らしい淡々とした文体で描くことで、より際立っていた。
「海賊とよばれた男」も、同じような時代背景であり、同じようなテーマということで、この文体が最適と判断したのではないだろうか。

どちらの小説も、戦前から戦後の、視野が狭く自己保身しかしない官僚と、利権に群がり、楽して利益を独占しようとする大企業の中で、理想を追い求め、消費者や従業員の視点で、企業を経営し続けた傑出した人物の物語だ。

特に、出光佐三氏が、今の時代に生きていたら、果たして、現在の新自由主義が台頭する日本の現状に対して、どういう意見を言っただろうか? 興味が湧くな。

関連記事:





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ